2008年11月12日水曜日

鳳凰三山

鳳凰三山は、山梨県にある地蔵岳(2764m)、観音岳(2840m)、薬師岳(2780m)の三つの山で構成される100名山の一つに数えられる名峰です。登山口までのアプローチが大変な南アルプスの中でも最も容易にアクセスできる山で、比較的早く小屋終いする南アルプスの中でも、遅く(通年)まで営業していて、南アルプスのビキナー的な存在として人気があります。

10月4日、5日山頂付近の紅葉が期待されるこの時期に青木鉱泉のドンドコ沢から登りました。中央高速の八ヶ岳PAで仮眠して目覚めると、この年の山登りで一番というくらいの快晴で、朝焼けに染まる甲斐駒と、地蔵岳のオベリスクが小さくもはっきりと見え、テンションが上がりました。
ドンドコ沢の登りは南アルプスでも屈指の急登と言われていましたが、自分的にはその前持った知識があれば、途中のいくつかの大きな滝を眺めながらの道なので、きつくても嫌気がさすような登りでははなかったです。写真のように、最初九十九折での登り道は落ちたら転げ落ちていきそうな急斜面でした。南精進の滝や、白糸の滝、最後の五色の滝は落差も大きく、滝つぼまで下りられて、一番豪快な眺めでした。


樹林帯の中なので、滝以外の景色は振り返った奥秩父方面の山くらいしかなく、4時間ほど登りきったところで、ようやく地蔵岳のオベリスクが顔をだしました。



ここまであがってくると寝不足がたたっていつもどおりふらついてきました。薬師岳の山荘を目指すことを考えていましたが、この日は鳳凰小屋で泊まることを決めました。青木鉱泉から4時間30分で鳳凰小屋到着です。疲れていたので小屋で1時間ほど仮眠した後、地蔵岳を往復しました。地蔵岳までは登り1時間、下りは40分ほどでした。オベリスクに手が届きそうになるところで、アリ地獄のような砂場の急斜面が待っています。


オベリスクは岩が花のつぼみみたいに重なっていて、岩の割れ目にはロープがかけられていて、チャレンジャーが頂上にたっていました。5mくらいの高さがあるので安全面を考えると眺めるだけにした方がいいと思います。快晴ではありましたが、仙丈や甲斐駒方面にはガスがかかっていてなかなか顔をだしてくれませんでした。紅葉が始まりだした観音岳はすごく綺麗に見え、その奥には富士の姿が見えました。

小屋に戻ると、大勢の登山客でごった返していました。たくさんの人達と会話し、単独登山をしてきた中で一番しゃべった山小屋でした。次の日、朝食は混むので弁当にしてもらって、それを外で食べ、小屋から観音岳へショートカットする道を登りましたが、この登りが起き掛けの体にきつく、何度も止まって休憩しました。一時間ほどで地蔵岳から続く尾根にでると、朝焼けに染まる地蔵岳と甲斐駒がとても美しかったです。

仙丈や白峰三山、赤石方面もかなりくっきり見え、先週の唐松岳とはうって変わっての大パノラマで、すごく気持ち良かったです。南アルプスの奥には中央アルプス、北北西は後立山方面まで眺められました。もちろん八ヶ岳や、富士山の姿もとても綺麗に眺められ、最高の気分でした。

尾根から30分ほどで、鳳凰三山で一番高い観音岳に着きました。ここでは念入りに時間をかけて写真撮影しました。特に山の写真でよく目にする富士山と薬師岳のショットが眺められ、何度もカメラにおさめますが、カメラの使い方自体全く分かってない自分には、いい被写体があっても全然上手に撮れなくて歯痒い思いをしました。

最後の薬師岳は観音岳から30分弱で下ります。地蔵岳のオベリスクににた岩があり、頂上の標識があるところは広場になっていて、到着時はすごいおおきなザックを持った大勢の若い学生さんがたむろっていました。ここでの景色も最高で、40分くらいいろんな方向の景色を眺めました。薬師岳のすぐ下に薬師小屋があり、尾根沿いに南下して南御室小屋~夜叉神峠に下るルートが今はメジャーらしいですが、青木鉱泉に戻るために、中道コースを帰ります。


中道コースは薬師岳山頂からすぐに灌木帯から樹林帯に入り、倒木が目立つ急な下りをひたすら下っていくツラいコースで、当初こちらを登りのコースに考えていたんですが、やはりドンドコ沢で良かったと思いました。途中御座石という巨大な石があるんですが、めぼしいポイントはそれくらいで、1時間半ほどひらすら下ると、すこし笹の鞍部がありますが、最後沢沿いの林道に出る1時間も九十九折の急な下りです。



こちらはやはり数人の単独者と一組のパーティとすれ違っただけで、あまり人気のない登山道でした。ガイドより50分ほど短縮して林道にでました。林道を下ること30分。沢を横断してドンドコ沢の登山道の方に移り、青木鉱泉に到着したのが丁度お昼の12時。翌日は予備日として有給休暇をとったので、山の余韻に浸りながらゆっくりと帰宅しました。人も多かったけど、ものすごく充実した山登りで、とても印象深い思い出になりました。

0 件のコメント: