2008年11月8日土曜日

御嶽・継子岳




笠ヶ岳登山でボロボロになった体が1週間ほどで癒えてきた8月23日、この日は御嶽に挑戦することにしました。 予定では、濁河温泉から登り、五の池小屋に宿泊して剣が峰を往復してくるプランでした。

この日は予報で天候は曇りだったのですが、まぁ登山口の濁河まで行って見ようと思い、朝の5時に自宅を出発。関金山線をとおり41号線に出て、小坂から鈴蘭高原方面に向かい、御嶽パノラマコースを通り、7時15分濁河温泉登山口前の駐車場に到着。

雨がパラパラする状態でしたが、合羽を着ての登山は初めてなので、ちょっと期待しつつ、登れるところまで行って見ようと、7時30分に登山開始。登山口には登山届けを出すところと、その横にバイオトイレがありました。白い服の修験僧の格好をした方が三人ほど登られるところでした。自分が先行して登ります。

森林地帯は風でざわめいていましたが、雨の影響はさほどありませんでした。濁河コースは標高1800mの濁河温泉から五の池小屋までは4kmの道のりで約3時間。途中1~40まで、100m毎に距離を示す札がかっていて、自分がどれくらいの位置にいるかよくわかりました。

お助け水の近くでおじいさんが岐阜県警の山岳隊(だったと思う)に付き添われながら下山するところに出くわしました。こんな天気で登ろうとする自分に引け目を感じました。「もし自分も世話になることにでもなったら…」
お助け水のところで、おじいさんがビバークしていたテントがあり、男の方が「昨日動けなくなってビバークしてたんですよ。」といっておられました。後で小屋の人に聞いたら、この方が小屋の主人さんだったそうで、親切にも、おじいさんの為にビバークの準備とかしていたみたいで、すごい方だなと思いました。

森林限界を超えたところで、子供中心の団体に出会いました。彼らはそこで引き返すと言っていましたが、自分はもう少しだし、小屋まで行ってみようと先を急ぎました。
森林を抜けると濁河の谷から吹き上げる強風と雨で体が浮きそうな状態で、かなり危険を感じました。

そんな中、下山する若い女の方とおばあさんとすれ違いました。あまりの強風でザックカバーのが外れかけてバタバタ音を立てました。その音が一瞬「崖崩れか!」と思い、ダッシュして小屋まであがりました。


10時15分に五の池小屋に到着。20分ほどして修験僧の方も到着しました。彼らは暫らくしてすぐ出て行かれました。

「今日は今年一番の悪天候ですね、一日ずっとこんな感じじゃないでしょうか…。」と小屋の女の方の話。昼前から小屋から出られない状態っていうのもなんかもの哀しい感じでしたが、どうせ家にいても食っちゃ寝ばっかりしてた事だと思えば、何もないけど2800mの小屋で一晩過ごす事の方がいくらかマシじゃんと自分に言い聞かせました。


トイレに外にでると、目の前の五の池もガスってよく見えません。「これでは、来た甲斐がない。近いうち絶対再挑戦するぞ!」と決心します。

小屋の方は若い人達ばかりで、部屋もすごく綺麗でした。寒くて眠かったので体を温めるためにしばらく眠りました。2時ごろ、同年代の男の人二人連れがびしょびしょになりながら小屋に入ってきました。


兵庫から来られたこの人達は中の湯から上がって剣が峰を回ってきたそうで、強風でものすごく怖かったということでした。剣が峰あたりはとくにさえぎるものもないし、ガイドにも強風時注意とあったので、想像するだけで恐怖です。
しばらくして田の原から登ってきた広島から18切符で来た単独男性も小屋に到着され、夕方には濁河から登ってこられた11人のパーティも到着し、悪天候にもかかわらず 小屋の中はにぎやかでした。ぬれた服を乾かすためにストーブが焚かれていて、消灯時間ギリギリまで、兵庫の人達と山の話をしました。
翌朝、昨日と同じ天候だったのでショックでしたが、小屋から30分足らずで登れる継子岳にだけは登頂して下山しようと思い、準備をして6時過ぎに出発します。継子に向かうのは自分だけでした。誰も居ない悪天候でガスった道を独り行くのはたとえ単独に慣れてきたとはいえ、不安と寂しさでいっぱいでした。
頂上近くでは、尖った岩が何本も立っているところがあって、それが遠くから見ると人のように見えて、「まさかこんな時にここで人が?」と勘違い。頂上はのっぺりしたところで、北方向にはチャオ御嶽方面に下るコースもありました。寒いし寂しかったので5分ほどで下山。小屋まで戻り、7時に下山開始。雨の中どんどん下って行きます。
何人かのパーティの方、単独の方とすれ違いました。登山道が沢のようになっていて、しっかりした木の階段も滑りやすく、慎重に下ります。
登山口からすぐのところに仙人の滝がありますが、気持ちに余裕がないせいか、行って見ようという気になれず、8時50分、登りの半分の時間で下山しました。
下山後、丁度営業時間になった町営の濁河温泉露天風呂に入りました。お湯も熱くなくてとても気持ちよく、誰も入ってこなくて独り占め。「予定どおりにはいかなかったけど、今回も無事終えたなぁ…」という充実感が沸いてきました。
五の池小屋は若い人達ばかりでやっているせいもあって、とっても親しみやすく、小屋の人達もとても親切な人達でした。雰囲気としては今まで泊まった小屋では一番良かったと思います。
小坂の街まで帰ってくると晴れてきて、「なんだ今日だったら良かったのに…」と残念でしたが、この回でますます御嶽にチャレンジしたい気持ちが募りました。


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